−第5章− 肺魚の混泳




肺魚の混泳
「よく混泳は可能か?」とか、「アンフィとポリプを混泳出来ないか?」とかそういう話をよく聞く。本には「単独飼育が望ましい」と書いてある。確かに大きな水槽に魚が1匹しか入っていないには寂しいかもしれないし(私は寂しくないけど)、個人が持てる水槽には限度があるから、いろいろな種類の魚を買いたい人は一緒に入れたいと思うのもわかる。また水槽の中を綺麗にしてくれる魚達は是非入れたいと思うのはしかたないことだ
しかし肺魚との混泳は難しいようだ。古代魚の仲間との混泳はほぼ無理。アロワナ、ピラルク、ガー、ポリプなどなど。肉食魚との混泳もだめだ。イタズラ好きな魚との混泳もだめ。肺魚はかなりボーとした魚で昼間はあんまり活発に泳がない。魚たちにとって肺魚の手足は細長くて、ちょっとつついてみたくなるらしい。つつかれても極端な反撃をしないから、どんどん手は短くなっていくこととなる。また逆に肺魚が攻撃した場合はすさまじい傷を相手に与えることとなる。アンフィビウスがピラルク殺した、エチオピクスがスッポンモドキを2匹食べたといった話を聞いたことがある。とにかく肺魚を傷つけず、綺麗な手足を保つために肉食魚との混泳は無理のようだ。最初はうまくいっていても、体長のバランスが崩れたときに事故が起きる。私はこれについては試す気はない
では、底砂掃除系の魚たちとの混泳はどうだろう?肺魚が固形飼料を食べると、鰓からその粉をまき散らす。その粉が底砂に溜まり、水質悪化を招く。頻繁な水換えが望ましいが、できればそれを食べてくれる魚がいてくれたほうがいい。その処理係の筆頭にあげられるのはコリドラスだろう。安いものは200円くらいで手に入る。もちろん肺魚に食べられるのは覚悟の上だ。しかし、コリドラスには毒があるらしい。食べて死なないかもしれないが、肺魚のためを思うと入れることは出来ない。肺魚に食べられない大きさのオキシドラスも考えたが、かなりの大食漢で、大型になりすぎるし、せわしなく動き回るので肺魚が落ち着かず、薦められないらしい。現在の所、私はエチオの水槽にはメダカを入れて、彼らにがんばってもらっている。底砂をつついたり、掘り返したりはしてくれないが、鰓から出てきた粉をその場で食べてくれる。またメダカは水ミミズを食べてくれるらしい。当然メダカはエチオの餌になり、少しずつ減っている。肺魚は積極的に餌を追いかけたりしないので、すぐ追加しないですむのがいい。メダカが残り少なくなったら、ドジョウを投入してみようかと思っている。ドロイはあんまり鰓から粉を出さない。綺麗に食べるいいこである。
つぎに水槽内に発生するコケの処理係だ。強力な能力を持つプレコを入れたいところだが、プレコに舐め殺されることもあるらしいので注意が必要だ。おとなしい種類がいいと思う。また肺魚の水槽はアクリルになるだろうから、歯のない種類がいい。セルフィンプレコやヒポプレコなど。私はもし肺魚がプレコに吸い付かれたらとか思うと怖くて入れることが出来ない。もっとおとなしい種類のコケ処理係としてはオトシンか アルジイーターだろう。私はアルジイーターを5匹ほど入れてみたが、2日もしないうちに、全部エチオに食べられてしまった。ドロイの水槽にいるオトシンは無事にコケ処理係をがんばっている。他に餌にもなるスジエビも入れてみた。ヤマトヌマエビは結構凶暴なので手足をつつかれそうで私は入れられない。エビは残り餌は食べてくれるが、水槽面のコケには役に立たなかった。で、今エチオの水槽でコケ掃除に励んでいるのは貝類達だ。最初大きなオレンジアップルスネール2匹を入れてみたが、あんまりコケ掃除をしてくれない。肺魚の餌を狙って、ビューと寄ってくる。餌の時間はエチオとアップルスネールとの餌の取り合いになる、と言ってもアップルスネールは舐める程度であとはエチオに取られてしまうが。その様子は見ていて楽しい。アップルスネールが役に立たないので石巻貝を入れてみた。石巻貝はエチオに食べられそうなサイズだし、逆さになると自分で起きられずに死んでしまうというトンマな貝のため10匹投入した。彼らが無事エチオに食べられずに、コケ掃除に励んでいる。ちょっと入れすぎてしまったかもしれない。ちなみにうちの妻は貝類が好きで、琉球なんとか貝とかドングリなんとか貝とか古代貝とか高価な貝を何匹も飼っている。
そんな感じで私の肺魚(エチオ)との混泳は、「肺魚を絶対傷つけず、食べても安全で、水槽内を綺麗にしてくれる」という条件の下、メダカとオレンジアップルスネールと石巻貝とスジエビがいる。ほんとは貝類は寄生虫がいそうでちょっと怖いけど、自然界の肺魚はスネールが主食らしいので、耐性もあると勝手に考えている。これから肺魚が大きくなるに従って、混泳する種類を考えていかないといけない。

1999/7/13 NEW!
混泳その2
エチオのウズリの水槽に入っているメダカが5匹になってしまったので、再度残餌の処理をしてくれる魚の投入を考える。ずっと魚屋でドジョウを100gとか買ってきて投入しようと思っていたのだが...
・100gでは多すぎる
・ドジョウもそれほど悪くないけど、やっぱり見た目がいまいち
てなわけでドジョウに近い魚にする。まず外国産のドジョウ。名前にローチってつくものだ。シマシマのクーリーローチもいいけど、売っているのじゃ小さすぎる。あっという間にウズリに食べられてしまうだろう。クラウンローチはなんだかドジョウの形をしていないから好きじゃない。そして何かいいのがいないかあとPD熱帯魚センターの膨大な数の水槽を一つ一つのぞいていくと『アフリカンジャガーローチ』というでっかいドジョウを発見。模様がジャガーなのだ。うう、エチオに似合う。どっちもアフリカ産だし、現地では混泳しているかもしれない。1匹2000円。餌には高すぎるし、うまく混泳がいくとは限らないし、ちょっと躊躇。さんざん悩んだ末、このジャガーローチは、エチオとドジョウとの混泳がうまくいくのがわかってから購入することにする。
結局選んだのは日本産のシマドジョウ。大きめのを3匹選んでもらって、全部で1200円。餌にしては高いけど、この大きさなら当分食べることは出来ないだろう。日本産の綺麗なドジョウを選んだことで、他にも日本産でいいのがいたのに気付く。日本産コリドラスと言われる『カマツカ』だ。日本淡水魚に強いアクアフィールドに行ってみる。カマツカはコイ科の魚なんだけど、ドジョウというかナマズというか、いい顔をしている。これを2匹購入。ついでにスジエビ10匹とマルタニシ(普通のタニシより丸っこくてかわいい)も買って帰る。
早速エチオの水槽に投入してみるが(ちゃんと温度合わせ、水合わせもして)、シマドジョウの元気なこと!驚くと水面より上に跳ね上がる。こりゃ、飛び出しに注意しないと。働き具合は、カマツカがいい。小さいくせに、大磯砂を掘り返して、餌探しをしている。これはお勧め。値段は280円だったかなあ。逃げ足も早いので、しばらくは食べられないのではないだろうか。かわいいいし毒もないし。なかなか日本産コリドラスは侮れない。シマドジョウはエチオを怖がって、一番汚れている場所に行ってくれない。やっぱり鰓から出る餌粉をその場で食べてくれるメダカはいいなあ。
マルタニシはアップルスネールみたいな形をしているんだけど、色がシブイ。結構活発に動く。今はコケが全くない状態だからどれくらい働き者なのかいまいちわからない。
てな具合にエチオの水槽の生物密度がドッと上がった晩、妻は寝てしまい、私は一人でアクアライフ最新号を眺めていると、その雑誌に生き餌専門店の広告を発見する。あ、うちの近くだ。土曜日は24時間営業だって。その広告を見ているうちに覗いてみたくなった私は、寝ている妻をおいて(一応「行って来るけど、一緒に行く?」と聞いてみたけど、よくわからない返事が来ただけだったのでおいていくことにした。)、一人24時に家を出てその店に向かう。ちゃんと店は開いていた。金魚やメダカやドジョウやモエビやテナガエビやいろいろいる。お話を聞くと最近店を始めたそう。これからもっと種類も増やすと言ってました。その特徴はなんと言っても値段の安さ。私が一番驚いたのは、モエビ大10匹150円、モエビ小15匹100円。おじさん暇そうだからなんか買ってあげたいんだけど、安すぎるからモエビ小15匹を買っても100円だし、しかたないので(?)PD熱帯魚センターでは400円で買ったシマドジョウを小80円×2匹付けて、計260円買って帰る。ちなみに妻は次の日それを聞いて「(一人で行って)ずるいずるい」と大騒ぎをした。
うちには水槽が5ヶあるんだけど、ワニガメの水槽には入れられないし、エチオ以外は妻の水槽だけどもう寝てしまって勝手なことは出来ないからエチオの水槽に更に投入する(温度合わせ、水合わせなし)そして60cm水槽に41cmのエチオピクス、同居として5匹のメダカ、5匹のドジョウ、27匹のエビ、10匹の貝がいる水槽になってた。やばい、絶対やばい。生息数が多すぎる。エチオよ、早くエビを食べ尽くしてくれ。ドジョウもこの際食べちゃっていいや。私は濾過器の掃除と備長炭の交換をして、これから来そうな水質悪化に備えた。


混泳の顛末
前章で大量の混泳魚達を入れてみた。その結果...あんまりよくなかった。第1に、エチオがヒカリクレストキャットをあまり食べなくなってしまった。今まで朝晩20個ほどを一気に食べていたのに、10粒ほど食べて残すようになってしまったのだ。体調が悪いのか、生き物がたくさんいてストレスになっているのか、水温が高くなってきたせいなのか?
とにかくストレス説から解消するために、エビを別の水槽に移す。ドジョウ達はすぐにエチオに殺されてしまった(殺すだけじゃなくて食べてよ..)。それでもダメなようだ。
このままだと餌の残りを処理してくれる魚がいないので再度メダカを10匹投入。メダカはいままでずっと平気だったから。次の日の朝、メダカは半分に減ってる。どうやらメダカが好きみたいだ。メダカがだんだん減っていくにしたがって、餌を探す行動に出る。手を上下に振りながら、下に顔を向けて、水槽の角を行ったり来たりする。こういうときにヒカリクレストキャットをやると食べる。どうやら、生き餌を食べることによって「ヒカリクレストキャットは自分の好みでない」のを知ったらしい。そりゃ、新鮮なドジョウやエビの方が美味しいでしょう。それにしても、ウズリがこんなに食通だったとは...
でももしかすると水槽に対して自分がかなり大きくなってきたので、自主規制してるのかもしれない。早く水槽をかってやらないと。
そして今、先日たくさん買ってきたスジエビの中に、子持ちがいたみたいで、子供のエビが何匹も泳いでいる。マルタニシは誰が犯人かわからないけど、中身だけ食べられてしまった。2匹のオレンジアップルスネールは、最近残飯が多かったせいか、それを食べてかなり大きくなってしまった。またアップルスネールだかタニシだかわからないけど、子供が数匹徘徊するようになった。色的にはタニシなんだけど、アップルスネールのような気もする。

1999/12/4 UPDATE!
混泳 その3

食事のコーナーに混泳の話は不謹慎だが、私の言う混泳はウズリのお腹の中に収まってしまってもいいというのが前提なので続けてここに。水槽立ち上げ当初に入れた50匹あまりの金魚もとうとう3匹になってしまった。その間にウズリの餌のおこぼれをもらってかなり大きくなった。餌の残りの処理も3匹ではなんだか不安になってきたし、カバクチカノコ貝が行けない場所のコケ掃除役を求めてショップに行った。

前から水槽に入れたかったのがこのクーリーローチ。かなりの働き者と聞いているし、シマシマがいい。しかし売っているクーリーローチはかなり小さいので、ウズリにすぐに食べられそうで以前導入しなかった。今はウズリの大きさに対して水槽が大きいし、隠れ家もあるので、もしかすると食べられないかと思って買ってきたのだ(3匹500円 妙蓮寺水族館)。このクーリーローチ、動きがすごいかわいい。一発で気に入ってしまった。普通のドジョウではこんな動きはしない。クネクネクネクネ。3匹買ってきたのだが、3日でいなくなってしまった(涙)。ウズリに食べられたらしい。
今までカバクチカノコ貝がウズリ水槽のコケ担当だったが水槽の面以外の掃除ができない。具体的には濾過器からの排水パイプだ。これは水中に浮いた状態になっているので、貝では辿り着けないのだ。そこで買ってきたのがオトシンクルス10匹(リバーサイドアフリカ)。オトシンもコケ取りでは定評のある魚だ。しかし導入して次々と死んでいく。元気にコケ掃除をしているのに、死体が転がっているのだ。死体をよく見ると傷がある。水質の悪化による死ではないようだ。なぜオトシンをウズリは殺すだけで食べないのか不思議だったが、手で持ってみてわかった。オトシンは硬くてトゲトゲしているのだ。きっとくわえたはいいが「いて!」って感じで吐き出したのだろう。まあ反射的に口に入れてしまうウズリに罪はない。とにかくオトシンはコケ掃除にはいいが、餌には向いていないのだ。10匹買ってきて、4日で 残り1匹。なかなかウズリもハンターである。
金魚とメダカは餌の食べ方が違う。金魚はウズリが鰓穴から出した餌の粉を食べない。底砂をつついて最終的に綺麗にしてくれるが、どうせなら沈まないうちに食べて欲しい。そこでメダカを買ってきた。メダカは以前60cm水槽でひかりクレストキャットを与えていたときに、大活躍していた魚だ。いい餌にもなる(10匹200円 妙蓮寺水族館)。逆に小さすぎるとウズリの餌にならないかと思ったが、4日で5匹いなくなった。
やっぱり金魚!右の写真、大きい金魚が3ヶ月生き残って大きくなった個体、小さいのが新たに入れた個体だ(10匹220円 妙蓮寺水族館)。金魚は実は底砂掃除もしっかりやってくれる。水流がかなりあるのと、底砂が薄く敷いてあるせいか、水換えの際に底砂はほとんど汚れを出さない。これはいつも金魚が綺麗にしているせいだと思う。過酷な環境の中(食べられるかもしれないというプレッシャーの中)、餌を催促するし、掃除はしっかりしてくれるしで、やっぱり混泳には金魚が一番と思うようになってきた。10匹買ってきて、5匹ずつウズリの水槽とビッキーの水槽に入れたが4日経って、ウズリの水槽生き残り1匹、ビッキーの水槽生き残り2匹だ。結構金魚も捕まえられるようだ。今度は小さい金魚じゃなくて、大きい金魚を入れれば食べられないし、いいかもしれない。でも肺魚の餌を先に食べちゃうな。

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